長崎市南山手地区町並み保存センタートップページ
更新日:2024/04/06
春の訪れとともに新しい年度となりました。進学や就職、転勤や異動等で慌ただしくも希望に溢れる日々をお過ごしの方も多いと思います。さて、今回からは久々の連作です。題して「南山手で会長が出会ってしまった芸能人シリーズ」(略して、南山手・芸能人シリーズ)、栄えある第1回はあのタモリです。
事の始まりはNHKを名のる謎の女性からの電話でした。新手の投資詐欺かもしれないと恐る恐る待ち合わせ場所に向かうと、正真正銘のNHKディレクター・森崎章子さんが待っていました。大物芸能人の冠番組を制作するにあたり、家を取材させてほしいとの依頼です。番組の詳細を尋ねましたが、そこは天下のNHK、番組内容と大物芸能人の名前は直前にしか話せませんとの事でした。
実は我が家、結構テレビ番組に登場しています。古くは「火曜サスペンス劇場」の犯人の家(大地真央主演回)、旅番組の「遠くへ行きたい」(渡辺文雄)、あと歴史番組やクイズ番組、何かのCM等々です。この依頼の直前にはNHKの「かすていら」(大八木凱斗)のバイオリンの先生の家にもなっていました。今回も特に断る理由もなく承諾して家に帰ったら、大騒ぎとなりました。話題の中心は大物芸能人です。私は前川清、息子は鶴瓶、家内と娘は期待を込めて福山雅治、母は大穴の蛭子能収と混線する中、撮影当日となりました。
3月にしては珍しく雪が舞う中、玄関の扉を開けるとタモリが立っていました。前日に大物芸能人の正体と到着時間は聞いていましたが、いきなり目の前にタモリが現れると驚きますね。しかし、大物芸能人のふんぞり返ったイメージとは程遠く、防寒着を着て普通に立っていたので、思わず「ご本人さんですか。」と声をかけたほどでした。一緒に来たのはアナウンサーの桑子真帆さん、長崎大学の姫野順一教授(現 長崎外国語大学・学長)です。
特にシナリオもなく成り行きで動いてとの事でしたので、通常のお客さんと同じように1階の応接間、2階の客間とベランダを案内しました。その途中に桑子さんの進行でタモリさんが私に疑問を投げかけ、姫野教授が解説する流れらしかったのですが、タモリさんが博学で解説はほぼ不要、姫野教授は洋館に関するマニアックな知識を開陳するしかない謎の展開となったのでした。おかげで長い収録の大部分はカットされ、何と使われたのは、父が残した古いステレオセットにタモリさんが食らいつくシーンでした。かくして記念すべき「ブラタモリ(長崎編)」はオンエアーされたのでした。ああ無情。
次回は「タモリが家にやって来た 後編」です。こっそり裏話も載せますのでお楽しみに。(つづく)
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