長崎市南山手地区町並み保存センター
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更新日:2026/02/28
弥生3月、年度末です。慌ただしい日々をお過ごしの方も多いと思います。
さて、全国の総合格闘家の皆様の間で話題となっているみたいなので、今回も父の話の続きです。だんだん何の話か分からなくなってきましたがご覧ください。
「後ろから組まれたら鳩尾に入れろ」
父は晩年70歳の時に暴漢に襲われました。場所は馬町の地下道、夜に一人で歩いているといきなり後ろから首に組み付かれたそうです。暴漢は金品ねらいで身なりがいい小柄な老人に目をつけたのでしょう。しかし、相手が悪かった。百戦錬磨の老人は、左手で組み付いている腕の小指を捻って締め付けを緩め、同時に右肘を鳩尾に打ち込みました。更に蹲った相手の顎に掌底を一発。ここで相手が長身で体格がいい若者であることがわかり、長期戦は不利と判断。回復する前に足早に立ち去り、その足で近くの交番に連絡したそうです。
暴漢を撃退して無事に帰り着いた父は、当時6歳の孫と私に「後ろから組まれたら鳩尾に入れろ。」と格闘家以外には全く無縁な講釈をしていました。
「洋館修復編」
我が家は今までに大きな修復工事を3回しています。3回目は30年前の全面的な解体修復工事です。(47話参照)
1回目の修復は60年ほど前、私が幼稚園の頃でした。何と2階の梁が経年劣化し、天井がたわんできたのでした。落ちてくるのは時間の問題、修復に来た業者の方に、父は「鉄骨を入れろ」と無理難題を言いつけていました。木造住宅に鉄骨、今の時代はできる加工ですが当時は苦労したに違いありません。強面のキン肉男に睨まれ業者の方は泣く泣く取り付けていました。しかし、結果的に天井はその後30年持ちこたえました。
2回目は50年前、南山手の洋館が文化財指定を受ける直前です。(2話参照)水回りと使用人の部屋(当時は物置)があった別館の建て直しとなりました。100年以上前の建物でしたが頑丈に作っていたのか解体は難航しました。業者の方が苦労する様を祖父は「この家は簡単には壊れません。」と喜色満面で眺めていましたが、そこに登場したのが父です。「代われ。」業者から解体用の巨大鉄製ハンマーを取り上げると振りかぶって、親柱に一撃。しかし別館耐えてます。二撃、別館外壁の板が歪み出しました。そしてフルスイングの三撃、土煙をあげて別館は崩れ去りました。「徳久が家を壊した。」祖父が落胆する中、父は業者を集めて「ハンマーは腰でスイングしろ。」と講釈していました。
後半になってようやく南山手の話らしくなってきました。父の活躍はまだまだ続きます。乞うご期待(つづく)
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